コトックス

~悩める人に効くことばのクスリ~

アスリート

松井秀喜の名言!成績以上に記憶に残る長嶋監督との美しい関係

2016/09/29

引退会見での名言

「この20年間で一番に思い浮かぶシーンは?」との記者の質問に対して、

いっぱいありますね…
やはり長嶋監督と2人で素振りした時間ですかね。
それが僕にとって一番印象に残っているかもしれないですね。

-2012/12/27 NYで行われた引退会見にて

 

名言の背景・解説

この言葉は冒頭にも書いたとおり、
2012年12月のNYでの引退会見にて、記者から「この20年間で一番に思い浮かぶシーンは?」と聞かれたときの言葉です。

数々のタイトルや記録をお持ちの松井秀喜さんですから、日本で50号HRを放った時や、ワールドシリーズMVP獲得が決まった瞬間など、ファンの記憶に鮮明に刻まれた輝かしいシーンを答えるだろうと思った方も多いと思います。

そんな中、じっくり時間を空けて考えた結果、出た言葉がこの言葉だったのです。
しかもNYという場所での会見においてですよ。
グッときた方も多いのではないでしょうか。これには私も深く感動いたしました。

松井秀喜さんと長嶋茂雄監督の深すぎる美しい関係

松井秀喜さんと長嶋茂雄監督の関係は、深い深いものがあります。

1992年、長嶋茂雄さんが巨人軍の監督に就任することが決まり、その就任会見で「松井君を育ててみたい」と発言されました。
そして注目のドラフト会議。4球団が競合する中、見事長嶋茂雄監督は松井秀喜さんをクジで引き当てるのです。
この出来すぎたストーリーには鳥肌が立った方も多いのではないでしょうか。

そこから師弟関係は年々強固なものとなり、試合前・試合後には毎日素振りを欠かさず一緒に行い、その指導は連日長嶋監督の納得のいく「スイング音」が出るまで続きました。

この素振り特訓は大リーグの海へ渡った後も続きます。

松井秀喜さんが不調の時に、長嶋監督は松井秀喜さんに電話をし、電話越しに素振りをさせたというのです。
何度も素振りをさせ、監督の納得のいく「スイング音」が出たところで「その音だ!」といって電話を切り、松井秀喜さんは翌日ホームランを放ったのだとか。
もう映画のワンシーンを見ているのようなストーリーですよね。

そんな背景があっての、この言葉だったので、思わず涙なしには見れませんでした。

誠実で律儀で愛される男

本当に松井秀喜さんって誠実で律儀な方なんですよね。奢っているところをみたことがないです。長嶋監督以外のエピソードでも、以下のようなものがあります。

<恩師を東京ドームに招待した際のエピソード>
星稜高校時代の校長先生を東京ドームに招待した際、バッターボックスに入る前に校長先生の席を確認して、周りに気づかれないようにさりげなくヘルメットをとって一礼した。

<5打席連続敬遠された相手投手との対談時のエピソード>
5打席連続敬遠をした相手チーム明徳義塾・河野和洋投手と後に対談する企画があったが、松井秀喜さんの第一声は「僕を全国区にしてくれてありがとう!」だった。

校長先生はこの行動に深く感動して後日このことを語っていますし、
河野和洋さんも今でも松井秀喜さんの大ファンで、所属する草野球チームでは背番号「55」をつけているのだとか。

そう、みんな松井秀喜さんのファンになってしまうんですよね。
「愛され力」なんて言ったりしますが、松井秀喜さんの魅力は記録ももちろん素晴らしいですが、こうした誠実な人柄が私は一番魅力的だと感じています。

もちろん、長嶋茂雄監督も間違いなく松井秀喜さんのファンの一人でしょう。
松井秀喜さんの引退会見後のコメントでは、以下のように述べられています。

「これまで飛躍を妨げないよう、あえて称賛することを控えてきたが、ユニホームを脱いだ今は“現代で最高のホームランバッターだった”という言葉を贈りたい」

 

今日のコトックス

今回の松井秀喜さんの名言、いかがだったでしょうか。
野球への取り組み方等に関する名言も沢山ありますが、こうした言葉も松井さんらしさが出ている素晴らしい名言だと思います。
引退会見での松井さんの表情は凄く穏やかで、一点の悔いなしといった印象でした。

「誠実はあまたの欠点をカバーする」なんていう言葉もありますが、引退会見での松井さんのように決して奢ることなく常に恩と感謝を忘れずに、穏やかな心で日々生活していきたいですね。
日々心がけていれば、きっと「愛され力」もアップすると思いますよ。

 

「あなたは今、将来やりきったと振り返れる美しいシーンを歩んでいますか?」

 

-アスリート