コトックス

~悩める人に効くことばのクスリ~

教育者

本多静六の名言!貯金・投資の神様の著書「人生計画の立て方」に学ぶ幸福を導く努力論

今も昔も変わらない地に足のついた名言たち

私が平凡愚劣の生まれつきをもって、しかも、なおかつ割合に幸福感謝の長い人生を享楽し得たのも、ひとえにこれ、早くから自らの「人生計画」をたてて実行に努力してきたおかげである。

人が職業を選ぶには、よく自分の体質や性格を考え、師父先輩の意見を尊重斟酌して選ぶべきであるが、一度これを決した上は、もはや迷わず、疑わず、専心その業に勉励することである。たとえ、初めは、自分の性格才能に合わないと思われるような仕事でも、専心打ち込んでかかることによって、いつしか上手にでき、面白く働けるようになってくるものである。

人生即努力、努力即幸福

 

言葉の背景・解説

本多静六(1866-1952)という方をご存知でしょうか。

25歳という年齢で「人生計画」をたて、その設計図どおり忠実に人生を歩み、本田式貯金法と呼ばれる収入の四分の一を地道に継続して貯蓄することで巨額の資産も築いたことでも有名です。一方で、林学の専門家でもあり東大教授という肩書をもつ傍ら、日比谷公園の設計や明治神宮の森の造成にも携わり、地域の発展にも大きく尽力しています。
学者でありながら、経済的な成功も収めているという点では非常に珍しい方ですね。

凡人でも非凡なことが出来ることを証明

本多静六氏の言葉が強く心に響くのは、彼が決して天才タイプの人間ではなかったということです。著書「人生計画」でも紹介されていますが、学生時代も劣等生だったようで、大学では落第してしまい死を覚悟するほどショックを受けました。
しかし、その後に策定した緻密な人生計画を地道にコツコツと継続した結果、最終的には大成功を収めるのです。
そして、更に興味深いのはその人生が決して苦行だったわけではなく、幸福感謝の長い人生だったと振り返っていることです。

著書「人生計画の立て方」では幸福な人生を歩むポイントとして「職業の道楽化」という言葉を出しており、その上で名言にもあげたとおり「何でも一生懸命にやれば、やがて道楽になる」という趣旨のことをおっしゃっています。道楽とは趣味のようなものですね。

本多静六氏はこのことを自身の体験をもって、そう語っています。
やると決めたら、すぐに投げ出さず時間がかかっても徹底的に継続して努力してやってみる。
すると次第に出来なかったことが出来るようになり、どんどん何でも楽しくなってくる、という訳ですね。

不断の努力こそ幸せへの近道

これを徹底して行って歩んて行きついた境地が「人生即努力、努力即幸福(じんせいすなわちどりょく、どりょくすなわちこうふく)」という哲学なのです。しっかり立てた人生計画に向かって、不断の努力で継続することが幸福への近道だ、ということですね。

また別の著書「私の財産告白」でも述べられていますが、この考え方は資産形成にも取り入れられています。地道に継続して貯蓄・投資を行うことで、結果として巨額の富を手に入れることに成功しました。決して「一瞬で」とか「簡単に」という訳ではなく、地道に地道に築き上げていったのです。

本多静六氏の哲学を知り、焦らずにゆっくりと自分の仕事を趣味と言えるところまで極めていき、同時並行で資産も着実に築き上げていくことが、幸せな人生を送る上で重要だと感じました。

「急がば周れ」という考え方に似ていますね。
本多静六氏の哲学は、自身の経験から出ている言葉のため説得力と重みが違います。また普遍的な考え方のために、今尚、有益な言葉として受け入れられているのだと思います。

 

今日のコトックス

今回の本多静六氏の名言、いかがだったでしょうか。
60年以上も前の言葉なのに、凄く心に響くものがありますよね。
これは、普遍的で人生の本質をついた言葉だからなのだと思います。

世間では「自分探し」だったり「楽して稼ぐ方法」といった類の情報が溢れている印象もありますが、そんな情報に嫌気がさしている方は一度本多静六氏の哲学に触れてみることをおススメします。
きっと、明日につながる着実な一歩を踏み出すことが出来ると思いますよ。

 

「あなたは今、幸福な人生を歩むための確かな努力をしていますか?」

 

-教育者